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内部告発・社外通報

会社の膿は出すべき。純粋な正義感が社会を変えていく!
~法律は不正を許さない人の味方です~

例えば、下記のケースを考えてみましょう。

あなたは、食品加工会社で営業職として勤めており、優秀社員として社内で何度も表彰されていたことから仕事に誇りをもっていました。ある日、営業部長が私物購入を経費として計上している場面に遭遇し、その事実を経理部に報告しました。すると、その一週間後に営業職から外され、倉庫の清掃係にされてしまいました。

この場合、元のポジションで働くことはできないのでしょうか?

会社の不正を見つけたあなたが、それを正そうと上司に報告することは、とても勇気がいることですし、純粋な正義感として、本来であれば喝采をあびてもよい行いです。

しかし、今回のケースでは、不正の事実を報告したところ、なんと営業職を外され、望まない倉庫の清掃係に異動させられてしまっています。こんなことが許されるようでは、会社内部の自浄作用が働かなくなり、会社の秩序を維持することはできません。

1.内部告発とは

会社員

内部告発とは、組織(企業)内部の人間が、不正の目的なく、所属組織の不正や悪事(法令違反など)を、上司や外部の監督官庁、または報道機関などへ通報することをいいます。

組織の不祥事やその隠ぺいが、この内部告発によって明らかになるケースが近年多くなっています。いっぽう、そのような企業では、内部告発を理由とした制裁が行われているのもまた現状のようです。

この内部告発については、2006年4月1日から施行されている「公益通報者保護法」により、企業内でのさまざまな法令違反行為に対する通報者の保護が図られるようになりました。この法律は、監督官庁やマスコミへの不正の通報も、一定の要件の下に保護の対象としていますが、とりわけ会社内部への通報(例えば、不正を行っている者の上司に対する不正の告発)を保護しています。

会社内部への通報については、不正の事実を知っていることを理由に会社から金銭をゆすりとろうとするような不正の目的さえなければ、内部告発を理由にした解雇は無効となり、解雇以外にも、給与の差別、異動、あるいはもっぱら雑務をさせるといった等の不利益な取扱いも禁止されています。

2.今回のケースでは

今回のケースでは、あなたが内部告発をしてからわずか一週間後に異動が行われています。それまで、営業職として業務を行っており、何の問題も起こしていなかったことからすると、職務上の必要性等とは無関係に、内部告発をきっかけとして異動が行われたとしかいいようがありません。

とすると、会社があなたを異動させた意図は、営業部長の不正経理問題を隠ぺいするために、あなたに対する嫌がらせ、ないしは見せしめとして行われたと考えるのが妥当です。したがって、あなたに対する異動命令は、内部告発に対する報復であり、社会通念上、著しく妥当性を欠くものとして、会社に対し慰謝料を求めることができそうです。

また、あなたの内部告発には不正の意図はまったくないため、今回の異動は、上述の公益通報者保護法における内部告発の保護により無効となります。

これらの事情を考慮すると、あなたは元の営業職のポジションに戻ることが可能といえます。あなたは、会社に対し慰謝料の請求と営業職への復職を求める必要がありますので、すぐにでも、法律と交渉の専門家である弁護士に相談することをおすすめいたします。

3.会社の不正を見つけたら、まずは弁護士に相談を!

会社内での不正や違法行為を発見し、告発するべきかお悩みの場合には、すぐに法律と交渉の専門家である弁護士に相談することをおすすめします。弁護士は、ご相談内容について守秘義務を負っていますので、外部に情報が漏れることは決してありません。

相談するだけでも気持ちが軽くなりますし、正義感に基づいて告発をする場合でも、きちんと弁護士の意見を聞いて、どこまでなら許され、どこからが許されないのか(誹謗中傷、噂に基づく内部告発は認められません)を把握したうえで、自分の身の安全を確保しながら対処するほうが、後々のことを考えるとよいと思います。

会社内の行為であっても、不正や違法行為は許されるものではありません。会社の不正を告発することは、会社やそこで働く労働者を守ることでもあるのです。ご自身の正義感に従い、正しい行動をしてください。弁護士は、そんなあなたの力強い味方です。

弁護士  正木 裕美  [愛知県弁護士会]

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