労働問題に関するQ&A
あっせん手続を利用することで解決できる場合もありますが、「裁判所での手続よりも解決力が低い」といえます。
労働局のあっせん手続とは、労働局に置かれた紛争調整委員会が、労働者と使用者との間に入って解決案を提示し、合意を目指す手続です。都道府県によっては、労働委員会や、労政主管部局が同様の手続を設けていることもあります。
あっせん手続では、申請を受けた側(ほとんどの場合は使用者)が手続に参加する義務はなく、参加したとしても解決案に合意しないこともできます(これらの場合、手続は打ち切られます)。年によって変動はあるものの、あっせん手続で処理された件数のうち、当事者の双方が参加して開催に至ったものの割合はおよそ50%台、合意が成立したものの割合はおよそ30%台にとどまっているのが現状です。
また、合意できたとしても、万一その合意内容が守られなかった場合、直ちに差押えなどの強制執行を行うことはできず、訴訟などの手続を踏む必要があります。
このような解決力の点であっせん手続よりも優れ、かつ比較的手間の少ない制度が、労働審判です。
労働審判は、裁判官らによって構成される労働審判委員会が、労働者と使用者との間に入って調停(合意)を目指す裁判所の手続です。仕組みはあっせん手続と似ていますが、労働審判で処理された件数のうち、調停が成立したものの割合は毎年約70%にのぼります。
また、労働審判委員会は、調停が成立しない場合や、相手方が出席すらしない場合でも「審判」という解決案を出すことができ、これに対して当事者双方から異議が出されない場合は、その内容が確定します。
すなわち、成立した調停や、確定した審判の内容が守られなかった場合は、原則としてただちに差押えなどへ進むことも可能なのです。詳細は以下のページもご覧ください。
あっせん手続には、費用が無料である、手続に要する期間がやや短いなどのメリットもありますが、合意に至らず結局別の手続が必要になった、というように二度手間になるリスクも高いといえます。
「解決できる可能性が高い手続」という観点からは、労働審判を利用されることを、また、その際は的確に事件の見通しを判断するため、弁護士へご依頼されることを強くおすすめします。
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