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アニメの制作進行がきついのはなぜ?つらい状況を改善するには?

「君の名は。」や「鬼滅の刃」、「呪術廻戦」などのヒットにより、近年アニメに対する注目度はますます高まっています。そのような背景から、アニメ業界を志す人も増えているようです。

アニメはたくさんの職種の人が集まって作られていますが、そのうちの1つが「制作進行」です。制作進行は、業務内容の性質上、どうしても激務になりがちです。
しかしながら、単に激務というだけでなく、「知らず知らずのうちに、違法な労働を強いられてしまっている」という状況に陥っているかもしれません。

そこで本コラムでは、実際に制作進行として働いている方や、これから制作進行として働こうと考えている方を対象に、違法な労働環境とはどういうものか、そして仮に違法な労働環境で働いていることに気づいた場合はどうしたらよいか、対処法を弁護士が解説します。

今回の記事でわかること
  • 制作進行の業務内容と激務の原因
  • 制作進行の方が残業代を請求する際、注意すべきポイント
  • 退職により生じる可能性のあるリスクと、円満に退職するための方法

アニメの制作進行とは?

アニメの制作進行の主な業務は、制作におけるスケジュール管理とアニメーターからの原画回収になります。
具体的には、まずクライアントからの発注を踏まえ、内容・納期・予算を定め、納期に間に合うようにスケジュールを策定します。その後、アニメーターとの打ち合わせやスケジュール調整を行い、実際に成果物ができたら回収して確認し、進捗を管理していきます。完成が近づいてくると、監督や演出家らと演出の意図などを共有したうえで、さらに質を高めるために最終調整を行います。

このように、アニメ制作の始まりから完成まで、あらゆる作業が円滑に進むように管理・調整していく仕事が制作進行です。

アニメの制作進行がきついのはなぜ?

制作進行の方が仕事上付き合うのは、外部のアニメーターや、制作会社内の監督・演出家など、いわゆる「クリエイティブ」と呼ばれる職業の人たちであり、一般の会社員などと比べて業務時間が不規則になりがちです。

また、原画の進捗はアニメーターごとにばらつきがあるのが通常ですし、進捗状況や作業時間も一定ではないため、つられて制作進行の方の労働時間も、不規則・長時間になりがちです。
さらに、会社側と作り手側(アニメーターなど)の間に立って現場をまとめなければならず、トラブルが起きるとその調整にかなり負担がかかる、という点でもきつい仕事といえるでしょう。

きつくても我慢するのは当たり前?

アニメ業界は非常に華やかな世界であることから、自ら進んで業界に入った方も多いかと思います。また、制作進行の仕事に限らず、アニメ業界に携わる職種はどれも多忙です。
そのため、たとえ日々の業務がつらいとしても、「自分で選んだから…」、「周りも頑張っているから…」と我慢しすぎてしまうことがあるかもしれません。

確かに仕事としてやる以上、我慢しなければならない場面もあるでしょう。だからといって、何もかも我慢する必要はありません。もし、知らず知らずのうちに違法な状態で労働させられているような場合には、法的に主張できることは主張すべきなのです。
では、実際にどのようなことが主張できるのでしょうか。制作進行の方が特に直面しそうな2つの問題に焦点を当てて解説していきます。

主張できることその1:残業代請求

上記のとおり、制作進行の方は長時間労働をしているケースが多いと思われます。そのため、特に問題となりやすいのが残業代です。残業した時間に対して適正な残業代が支払われていればよいのですが、支払われていない場合は問題です。適正な給与をもらえていないことになりますので、未払い残業代の請求を検討すべきでしょう。

そこで、制作進行の方が残業代を請求する際に問題となる可能性のあるポイントを解説します。残業代請求を検討される場合には、ぜひ参考になさってください。

業務委託契約で働いている場合

制作進行として働いているのは、正社員の方だけではありません。「業務委託契約」を結んで働いている方もたくさんいらっしゃいます。

業務委託契約とは、会社から特定の業務を任されて遂行する契約のことです。
ところが、残業代を請求する条件の1つが、労働基準法上の「労働者」であることなので、正社員ではなく業務委託契約で働いている方の場合、「労働者」に該当するか否かが問題となる場合があるのです。

しかしこれは、「業務委託契約で働いているから、残業代は請求できない」ということではありません。たとえば「働く場所や時間を会社に指定・管理されている」、「案件や業務について受ける・受けないを判断する自由がない」といったような場合では、契約形態にかかわらず「労働者」であるとして、残業代が請求できる可能性があります。
この点について、詳しくは以下のコラムでご説明しています。ぜひ合わせてご覧ください。

残業時間の立証

制作進行の方は、業務の内容上外出が多く、1日中デスクで仕事をしているという日はまれかもしれません。そのような働き方で問題となるのが労働時間の立証です。
残業代請求をする場合、自分が何時間働いたのか、労働者のほうが立証しなければなりません。しかし外出が多ければ、外出先での労働時間が十分に記録されていないケースが多々起こり得ます。そのため、会社にいる時間はもちろんですが、外出中の時間など記録が欠落しがちな部分を記録しておくことが重要となるのです。

残業時間の立証のために、「どのような証拠が必要なのか」や「どのように証拠を集めればよいのか」などについては、以下のコラムも合わせてご覧ください。

主張できることその2:退職

制作進行の仕事は、基本的にアニメ1話につき担当者も1人つくことが多く、途中で抜けてしまうと制作がストップしてしまうため、責任感から辞めたいと言い出せないケースが少なくありません。たとえ「辞めたい」と言っても、強引に引き留められてしまうということもしばしば起こり得ます。

しかしながら、雇用期間の定めがない正社員であれば、退職の申し出から2週間後に退職することができると法律に明記されています(民法第626条1項)。また、期間に定めのある契約社員の方でも、やむを得ない事由があるときは契約を解除することができるとされています(民法第628条)。このように、自らのタイミングで退職することもまた、労働者の権利なのです。

そうは言っても、やはり退職を切り出せない方もいらっしゃるでしょう。しかし、会社や上司に黙って退職することもおすすめはできません。退職の伝え方や方法は慎重に考える必要があります。
そこで、自分で退職を申し出ることなく、なおかつ円満に退職する方法をご紹介します。併せて、会社や上司に黙って退職した場合のリスクについても解説しますので、ぜひ参考にしていただければと思います。

※業務委託で働かれている方の場合は、上記民法の規定が適用されない可能性があります。本項では、主に雇用されて働いている方の場合を前提として解説しています。

いわゆる「飛ぶ」場合のリスク

アニメ業界では、昔から「制作進行が飛ぶ」(急に連絡が取れなくなる)ことがよくありました。しかしながら、会社に何も告げずに突然辞めてしまうと、かなりのリスクが生じます。

具体的には、すでに述べたようにアニメの制作が遅れ、場合によっては放映に影響が生じることがあるため、それによって生じた損害を賠償するように求められるおそれがあります。そのため、会社を「飛ぶ」ことはおすすめできません。
仮に辞めるとなった場合は、会社に対して、正面から辞める旨を告げて円満に退職を目指すべきです。
いわゆる「飛ぶ」場合のリスクについては、以下のコラムでも詳しく解説していますので、併せてご覧ください。

円満に退職する方法

すでに述べたように、労働者本人が「辞めたい」と言い出せないケースや、退職を申し出てもすぐに辞めさせてもらえないケースもあるでしょう。そういった場合は、円満に退職するため「退職代行サービス」の利用を検討しましょう。
退職代行サービスなら、退職の意思を代わりに告げてくれるだけでなく、有給の消化や業務上の引継ぎ、退職にあたって必要となる書類の取寄せ、損害賠償請求に対する対応など、退職に関係するさまざま手続を請け負ってくれる場合があります。
退職代行サービスについては、下記のコラムで詳しく解説しています。ご興味のある方は、ぜひ参考になさってください。

すでに「飛んでしまった」場合

本コラムを読んでいただいている方のなかには、すでに会社を「飛んでしまった」という方もいらっしゃるかもしれません。その場合、残業代を請求することにためらいを感じてしまったとしても、無理はないでしょう。

確かにそのような状況では、会社も容易には請求に応じない可能性があります。
しかし、弁護士などに相談し、状況を整理していけば、「飛んでしまった」あとでも残業代を請求できる可能性はあります。このような場合、自分で請求をしようとすると状況を悪化させてしまうケースもありますので、まずは弁護士への相談をおすすめします。

なお、残業代請求には、消滅時効があります。毎月の給料が支払われてから3年間(※)請求せずにいると、残業代を請求する権利が消滅してしまうというものです。したがって、残業代の請求を検討している場合は、退職後なるべく速やかに相談することが何より重要となります。

※2020年4月1日以降に支払日の到来した賃金請求権(残業代請求権)の消滅時効の時効期間は、3年です。ただし、2020年3月31日までに支払日の到来した賃金請求権(残業代請求権)については、消滅時効の時効期間は2年となりますが、すでに裁判上の請求を行っている場合には、時効の完成が猶予されますし(民法第147条1項)、すでに相手方が残業代請求権があることを承認していた場合には、時効が更新され、新たに消滅時効が進行することになります(民法第152条1項)。

まとめ

アニメ業界は非常に夢のある職業です。そのため、つらい状況でも我慢しすぎてしまうこともあるかもしれません。だからといって、違法な労働環境まで受け入れる必要はなく、法律上主張できることは主張すべきでしょう。
ただし、労働者性の有無や労働時間の立証など、制作進行の方の場合、いくつか注意すべきポイントがあります。

アディーレでは、アニメ業界特有の事情にも配慮しながら、残業代請求の手続を進めることが可能です。さらに残業代請求や退職代行に関するご相談は何度でも無料ですので、制作進行の仕事で何かお困りの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

※現在アディーレでは、残業代請求を含む労働トラブルと、退職代行のみご相談・ご依頼をお引き受けしております。 残業代請求と退職代行に関するご相談は何度でも無料ですので、お気軽にお問合せください。

監修者情報

弁護士

岩井 直也

いわい なおや

資格
弁護士,行政書士,ファイナンシャルプランナー検定2級
所属
東京弁護士会
出身大学
東京大学法学部

私は、困っている人に対して、法律という武器を駆使して手を差しのべたいと思い、弁護士になりました。しかし、いまだ弁護士へ相談する心理的・経済的なハードルは存在し、結果として泣き寝入りしているケースもまだまだ多いのではないかと思います。そのような状況を変えるべく、事務所として施策を進めることはもちろん、私個人としても「この人に頼めば安心だ」と思っていただけるよう質の高い仕事をし、安心してご依頼いただける弁護士になりたいです。これから、日々邁進していく所存です。

弁護士  正木 裕美  [愛知県弁護士会]

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    あらかじめご了承ください。