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労働問題に関するQ&A

残業代は、いつまで遡って請求することができますか?

労働基準法では、未払い分の賃金について、時効により2年(※1)で消滅すると規定しています(退職金は5年)。ここでいう「賃金」とは、労働の対償として支払われるものすべてをいいますので、残業代も含まれることになります。そのため、残業代も請求ができるようになってから2年(※1)経てば時効で消滅してしまいます。

ただ、例外的に2年(※1)以上前の分について請求できる場合もあります。たとえば、時効が更新(※2)された場合には、更新(※2)の時からさらに2年(※1)経たなければ時効にはかからないので、それ以上前の分でも請求できることになります。更新(※2)が有効となるのは、時効の期間が経過するよりも前に、労働者が裁判などで未払い残業代を請求した場合や、使用者が支払義務があることを認めた場合などです。

また、時効の期間を経過していても、使用者が時効を利用できないという場合もあります。これは、時効の期間が過ぎた後に使用者が支払義務を認めたような場合で、一度、支払義務を認めてしまうと、その後に「やはり時効だから払わない」とは言えなくなるのです。

ほかにも、特殊な例として、残業代を賃金としてではなく損害賠償として請求し認められた場合があります。損害賠償の時効は3年と規定されているため、このケースでは、通常より1年(※1)分多く請求することができます。

  • ※1 法改正により、2020年4月1日以降に支払日が到来した賃金請求権(残業代請求権)の消滅時効期間は、3年に変更となりました。2020年3月31日までに支払日の到来した賃金請求権(残業代請求権)については、従前のとおり、消滅時効期間は2年のままです。
  • ※2 法改正により、「中断」は「更新」という文言で規定されることになりました。

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弁護士  正木 裕美  [愛知県弁護士会]

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