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引継ぎしないで辞めたい。退職時に引継ぎしない方法はあるの? 弁護士が解説

「引継ぎしないで辞められるなら、今すぐ退職届を出せるのに」
そのように思いませんか?

しかし、引継ぎしないで退職する場合、損害賠償を請求されるなどのリスクが伴うことになります。

そこで本コラムでは、法的に見て退職するときの引継ぎは必要なのか、損害賠償請求などのリスクを避けつつも出社しての引継ぎをせずに辞める方法はないのかを解説していきます。

引継ぎが原因で退職をためらっているあなたの手助けになればと思います。ぜひ最後までご覧ください。

今回の記事でわかること
  • 法的に見る退職時の引継ぎ義務
  • 引継ぎしないで辞めることによる損害賠償請求のリスク
  • 弁護士に退職代行を依頼するメリット

仕事を辞めるときに引継ぎは絶対必要?

法律において、仕事を辞める際の引継ぎを明確に定めた規定はありません。そのため、退職時の引継ぎが絶対に必要なわけではありません。

ただ、法的な観点から、合理的な範囲で引継ぎを行う義務を背負っているとも考えられます。
以下で詳しく見ていきましょう。

退職時の引継ぎについて法律の規定

退職時の引継ぎについて、法律では次のように定められています。

「労働契約は、労働者が使用者に使用されて労働し、使用者がこれに対して賃金を支払うことについて、労働者および使用者が合意することによって成立する」(労働契約法第6条)

つまり労働契約は、労働者が労働を提供し、使用者がその対価として賃金を支払う関係であるということです。

また、以下のようにも定められています。

「労働者および使用者は、労働契約を遵守するとともに、信義に従い誠実に、権利を行使し、および義務を履行しなければならない」(労働契約法第3条4項)

「労働者および使用者は、労働契約に基づく権利の行使に当たっては、それを濫用することがあってはならない」(労働契約法第3条5項

労働契約が継続的・人格的性格をもつ契約であることから、当事者間の信頼関係が重要であり、信義誠実の原則(信義則)が妥当するものとされています。なお、信義誠実の原則(信義則)とは、わかりやすく言えば、他人の信頼を裏切らないように社会常識をもって行動しましょう、ということであり、民法で規定されています(民法第1条2項)。

以上のようなことから、労働者は退職するにあたって、可能な限り勤務先に迷惑をかけずに、また損害を生じさせずに、合理的な範囲で引継ぎを行う義務を負っていると考えられます。

引継ぎをまったく行わない場合は損害賠償を請求されるかも

信義則上必要と思われる引継ぎをまったく行わず、勤務先に損害を与えた場合、債務不履行に基づく損害賠償請求を受けるおそれがあります(民法第415条)。
もっとも、勤務先が求める引継ぎをすべて行わなければ必ず損害賠償請求を受けるというわけではありません。

ここでも、信義則(労働契約法第3条4項)を根拠に労働者の損害賠償責任は限定され、労働者の地位や労働条件、職務の内容、損害発生への使用者の寄与度(損害予防、リスク分散体制)等を考慮して、損害賠償責任の範囲が決められます。

仮に引継ぎをまったく行わなくても、多くの場合、それによって生じた損害の全額を労働者が負担すべきとまではいえないと考えられます。
とはいえ、求められた引継ぎをまったく行わない場合、損害賠償請求を受ける可能性はあります。

たとえ損害賠償請求に法律上理由がなくても、労働者にとっては請求を受けること自体、精神的な負担になります。ですから、可能な限り適切な引継ぎを行い、損害賠償請求を受けないように退職手続を進めていくことが大切です。

退職時の引継ぎは必要でも出社して行う必要は通常ない

損害賠償請求などのリスクがあるとしても、引継ぎのために嫌いな上司に会うなど精神的につらい思いをして出社するのは、できれば避けたいですよね。

実は、これから紹介するサービスを利用することで、損害賠償請求のリスクを避けつつも、出社しないで引継ぎを行うことが可能となりえます。

下記で詳しく見ていきましょう。

退職代行を利用して、引継ぎのやりとりも代行してもらおう

退職代行を利用することで、損害賠償請求などのリスクを減らし、出社しての引継ぎを避けるようやりとりしてもらえます。

勤務先企業は、出社して直接の引継ぎを求めてくることもありますが、先ほど述べたとおり、引継ぎは必ずしも出社して行う必要はありません。

たとえば次のような手順でやりとりする方法なら、出社せずに引継ぎを行えます。

  • 勤務先が求める引継ぎ内容を弁護士が聴取
  • 依頼者の方に確認してもらい、依頼者の方にて引継ぎメモを作成
  • 弁護士から相手方の担当者に渡す

このような方法なら、依頼者の方が直接、勤務先の上司などとやりとりせずに引継ぎが可能となり、かつ、会社側から損害賠償請求を受けるリスクを下げられます。

また、あなたの勤務先に信頼できる同僚がいて、その同僚にならば直接の引継ぎを行っても構わないという場合、その旨を弁護士から勤務先に伝えて、そのような引継ぎが実現できるよう調整していくことも可能です。

損害賠償請求されないように交渉してもらおう

勤務先がメモを活用した引継ぎに納得せず、出社して引継ぎを行わなければ損害賠償を請求すると主張してくる場合もあります。

この場合、勤務先に対して、信義則(労働契約法第3条4項)を根拠に以下の3点を考慮すると、そもそも労働者に損害賠償責任は発生しない旨を主張し、交渉していく必要があります。

  • 労働者の地位や労働条件
  • 職務の内容
  • 損害発生への使用者の寄与度(損害予防、リスク分散体制)

ただし、この交渉は過去の裁判例等も踏まえた専門知識が必要となるので、依頼する退職代行業者によっては、対応してもらえない可能性もあります。

弁護士に退職代行を依頼すれば、退職代行に加えて、損害賠償責任は発生しない旨を主張して交渉を行ってもらうことができます。

退職代行を依頼するメリット

有給休暇が残っている場合、退職申入れに合わせて弁護士から有給消化の申入れもできます。

有給休暇を取得できれば、当該労働日の労働義務が消滅するので、少なくとも当該労働日については、企業が労働者に対し「引継ぎせよ」という労務指揮権を行使することは法律上できないと考えられます。

絶対にというわけではありませんが、「有給消化」も引継ぎ不足による相手方企業からの損害賠償請求に対する対抗策になり得ます。

このような観点からも、仕事を辞めるときは弁護士に依頼し、残っている有給休暇を全部消化して退職されることをおすすめします。

まとめ

労働者には、信義則上、引継ぎ義務があります。
しかし、それは無制限に認められるわけではなく、また、引継ぎ義務に違反しているからといって、その損害のすべてを賠償すべきということは通常ありません。より適切な引継ぎを行い、勤務先から損賠請求を受けるリスクを下げたいのであれば、弁護士に依頼し交渉してもらいましょう。

監修者情報

弁護士

重光 勇次

しげみつ ゆうじ

資格
弁護士,応用情報技術者,基本情報技術者,2級知的財産管理技能士,ビジネス著作権検定上級(AdvancedLevel)
所属
神奈川県弁護士会
出身大学
同志社大学法学部,同志社大学法科大学院

弁護士になってから,さまざまな方のご相談を受けてまいりました。その中で,「先生に話を聞いてもらって,とにかく気が楽になった」という方や,「心配に思っていた点が実はそんなに心配するようなことではないとわかって,安心した」という方がたくさんいらっしゃいました。不安に思われている点や悩みを解決したい方は,とにかく気軽に弁護士にご相談ください。あなたの立場にたって,親身にかつ真摯にお話をお聞きします。

弁護士  正木 裕美  [愛知県弁護士会]

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