残業代請求コラム

未払い残業代の時効は3年!毎月の消滅を止めて取り戻すための具体的な手順とは?

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「未払いの残業代があるけど、あとでまとめて請求すればいいか!」
皆さまは、未払い残業代の請求に時効があるのをご存じでしょうか?
残業をしていたけれど支払ってもらっていなかった残業代を後日まとめて請求しようと考えていたら、時効で消滅し、請求できなくなってしまったという可能性があります。これが、残業代請求の大きな落とし穴です。

そこで、本コラムでは、未払い残業代請求の時効とは何か、請求期間はいつからいつまでなのか。また、時効を止めるにはどのような方法があるのかについて、詳しく解説します。

今回の記事でわかること
  • 未払い残業代の時効制度と残業代の時効を止める方法
  • 先延ばしにしていたら請求できる残業代が減る
  • 残業代の請求に向けてすべきこと
目次
  1. 放置は厳禁!未払い残業代は「3年」で毎月消滅していく
  2. 【今すぐできる】未払い残業代の時効を止める手続の流れと注意点
    1. 1. 催告(内容証明郵便の送付)による「一時停止(完成の猶予)」
    2. 2. 協議を行う旨の合意成立による「一時停止(完成の猶予)」
    3. 3. 裁判上の請求(労働審判や訴訟)による「リセット(時効の更新)」
    4. 4. 会社による「承認」による「リセット(時効の更新)」
    5. 【重要】時効の一時停止における注意点
  3. 残業代を確実に取り戻す!請求に向けた3つの具体的手順
    1. 手順1:未払い残業代の客観的な証拠を集める
    2. 手順2:未払い残業代の金額を正確に計算する
    3. 手順3:弁護士に代理交渉を依頼する
  4. 未払い残業代の請求を弁護士に依頼するメリット
    1. ① 残業代を取り戻せる可能性が高まり、請求額も最大化できる
    2. ② 会社との交渉をすべて任せられる
    3. ③ 証拠の収集や確保が適切に行える
  5. まとめ
    1. 残業代請求でお困りならアディーレに相談を

放置は厳禁!未払い残業代は「3年」で毎月消滅していく

現在の法律では、未払い残業代を請求できる権利の時効は「3年」と定められています。未払い残業代の時効は、本来支払われるはずだった『給料日の翌日』からカウントが始まり、給料日の翌日から3年が経過した残業代は毎月順番に消滅していきます。つまり、行動を先延ばしにしていると、古い月の残業代から毎月消滅し取り戻せなくなってしまうのです。

詳しい時効の起算点や法律上のルールについては、以下の記事をご覧ください。

【今すぐできる】未払い残業代の時効を止める手続の流れと注意点

毎月消滅していく残業代の時効は、会社に対して明確に支払いを求める意思を示し、法的な手続をとることでストップできる可能性があります。

1.催告(内容証明郵便の送付)による「一時停止(完成の猶予)」

時効を止める方法はいくつかありますが、時間が迫っている場合にまず取るべき行動は『内容証明郵便による催告』です。内容証明郵便で催告書を送ることで、時効の完成を6ヵ月間ストップさせることができます。

内容証明郵便を使用すると、郵便局が「いつ」「誰が」「どのような内容の文章を」送ったかを公的に証明してくれるため、会社側の「そんな手紙は受け取っていない」などの言い逃れを回避することが可能です。

まずは催告で時間を稼ぎ、その間に証拠集めや本格的な請求準備を進めましょう。

【具体的な手順】

  1. 書面の作成
    「未払い残業代を請求する旨」「対象期間」「金額(概算でも可)」「回答期限」を記載した書面を作成します。
  2. 書面を3通用意する
    同じ内容の文書を3通(会社への送付用、郵便局の保管用、自分の控え用)準備します。
  3. 郵便局で発送
    内容証明を取り扱っている郵便局の窓口へ行き、相手に届いたことがわかる「配達証明付き」で発送します。(24時間利用可能なインターネットの「e内容証明」も便利です)。

2.協議を行う旨の合意成立による「一時停止(完成の猶予)」

会社側と「未払い残業代の支払いについて話し合いましょう」という合意を交わすことで、時効をストップさせる方法です。合意が成立すると、そこから最長1年間、時効の消滅を待ってもらうことができます。裁判などに発展させず、じっくりと交渉や残業代の計算を行いたい場合に有効です。

【具体的な手順】

  1. 「協議を行う旨」を記載した合意書を作成します。
  2. 双方が合意したことが明確にわかるメールなどの履歴(電磁的記録)を残します。

書面での合意が必須であり、口頭での「あとで話し合おう」という約束だけでは法的効力はありません。

<注意点>

  • 協議を行う旨の合意成立による時効の「一時停止」は、あくまで会社側が話合いに応じる姿勢を見せていることが前提です。会社が無視したり、最初から支払いを拒否したりしている場合は合意自体ができないため、内容証明郵便の送付や法的手続に切り替える必要があります。

3. 裁判上の請求(労働審判や訴訟)による「リセット(時効の更新)」

催告(内容証明郵便の送付)によって一時的に時効が止まっている6ヵ月の間に、裁判所を通じて労働審判や訴訟を起こします。
これらの法的な手続を申し立てることで時効は完全にストップし、最終的に権利が確定すれば、時効のカウントダウンはゼロに「リセット」されます。

【具体的な手順】

  1. 労働審判
    管轄の地方裁判所に「労働審判手続申立書」と「証拠」を提出します。原則3回までの期日で、裁判官や労働審判員を交えて非公開の話合い(調停)を行います。解決が早く、費用も比較的安いのが特徴です。
  2. 訴訟(裁判)
    労働審判で解決しない場合や最初から徹底的に争う場合は、地方裁判所に「訴状」と「証拠」を提出します。公開の法廷で主張と証拠に基づく審理が行われ、最終的に判決が下されます。

4. 会社による「承認」による「リセット(時効の更新)」

裁判を起こさなくても、会社側が未払い残業代の存在を認めた場合(未払い分の一部を支払った、未払いであることを認める念書にサインした、など)は、法的に「承認」したとみなされ、その時点で時効はゼロに「リセット」されます。

【重要】時効の一時停止における注意点

時効を一時的にストップさせる方法としては、「催告」と「協議を行う旨の合意成立」がありますが、「催告」もしくは「協議を行う旨の合意成立」、どちらか一方の手続しか使えません。

具体的に説明すると、「内容証明(催告)で6ヵ月引き延ばしたあとに、さらに合意書を交わして時効を延ばす(またはその逆)」といったように、2つを組み合わせて期限を延長し続けることは法律上禁止されています。一時停止している期間内に「裁判上の請求」へ進むか、会社の「承認」を得なければ時効を迎えてしまうため、計画的なスピード対応が不可欠です。

残業代を確実に取り戻す!請求に向けた3つの具体的手順

残業代を適切に請求するためには、正しい順番で計画的に準備を進めることが不可欠です。感情的になって会社へ直接文句を言っても、はぐらかされたり証拠を隠滅されたりする危険があります。具体的にどのような手順で進めるべきか解説します。

手順1:未払い残業代の客観的な証拠を集める

最初にすべきことは、自分が残業した事実を証明する客観的な証拠を集めることです。

  • タイムカードや出勤簿、業務日報
  • パソコンのログイン・ログアウト履歴
  • 業務メールの送信時刻
  • オフィスからの退出を知らせる家族へのLINEのメッセージ
  • ICカード(Suica等)の乗車履歴

証拠があるほうが、よりこちらの主張に近い内容で交渉をまとめられる可能性が高くなりますので、可能な限り確保するようにしてください。

なお、「退職してしまってタイムカードなどの証拠を手に入れることができない」という方も諦める必要はありません。まずは残業代請求に詳しい弁護士に相談してみましょう。

手順2:未払い残業代の金額を正確に計算する

証拠が揃ったら、ご自身の基礎時給に労働基準法で定められた割増率を掛けて算出します。 深夜労働や休日出勤が混ざっていると計算は複雑になり、さらに時効が過ぎてしまった分とまだ間に合う分を正確に分けて計算しなければなりません。
金額に間違いがあると、反論する隙を会社に与えてしまう原因にもなります。ご自身で1円単位まで正確に計算するのは非常に困難なため、この段階では「だいたいの目安」が分かれば十分です。

手順3:弁護士に代理交渉を依頼する

証拠集めや計算に不安がある場合は、弁護士に依頼して会社との交渉を任せるのが有効な選択肢です。法律の専門家が代理人として間に入ることで、会社側も適当な言い逃れができなくなり、真剣に対応する傾向があります。また、直接会社とやり取りする精神的なストレスから解放され、時効を止める手続も迅速に行ってくれます。

未払い残業代の請求を弁護士に依頼するメリット

労働者の方ご自身で会社と戦うのは、想像以上に労力がかかります。弁護士に依頼することで、以下のような強力なサポートを受けられます。

① 残業代を取り戻せる可能性が高まり、請求額も最大化できる

弁護士に依頼することで、証拠の確保や任意交渉がスムーズに進み、未払い残業代を取り戻せる可能性が格段に高まります。
また、複雑な残業代計算を正確に行い、個人では見落としがちな「遅延損害金」なども含めて、法律上請求できる最大の金額を算出・請求することができます。

② 会社との交渉をすべて任せられる

弁護士に依頼することで、会社との交渉をすべて任せることができるため、精神的な負担から解放されます。また、交渉が決裂して労働審判や訴訟に発展した場合でもサポートしてもらえるため、安心して残業代請求を進めることができます。

③ 証拠の収集や確保が適切に行える

退職後に残業代請求するときには、労働者の手元に証拠がないケースが多いです。弁護士に依頼すれば、会社に対して「受任通知」を送り、会社に対して「労働時間の記録を開示せよ」と要求します(証拠開示請求)。

まとめ

未払い残業代の時効は3年となっており、毎月の給料日が来るたびに過去のお金が消滅してしまいます。損をしないためには、証拠を集め、内容証明郵便などを利用して早めに時効を止める手続をすることが重要です。

ただ、未払い残業代を請求したとしても、会社の対応によっては、労働審判や訴訟まで進めないといけないケースがあります。また、会社との直接交渉は精神的な負担も大きいため、あなたの代理人となって手続を進めてくれる弁護士に任せるのがベターでしょう。

残業代請求は、ある意味、時間との勝負です。未払い残業代をしっかりと取り戻したいとお考えの方は、お一人で悩まず、弁護士に相談してアドバイスを受けることをおすすめします。

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アディーレ法律事務所では、残業代請求に関するご相談は何度でも無料です。
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  • ※委任事務を終了するまでは、契約を解除できます。この場合、例外として経済的利益がなくとも解除までの事案の進行に応じた弁護士費用等をお支払いいただきます。

監修者情報

小野寺 智範
弁護士

小野寺 智範

おのでら とものり
資格
弁護士
所属
東京弁護士会
出身大学
青山学院大学法学部,専修大学法科大学院

弁護士の仕事は,法的紛争を解決に導くことだけでなく,依頼者の方の不安や悩みを解消することにもあると考えています。些細なことでも不安や悩みをお持ちであれば,気軽に弁護士に相談していただけたらと思います。依頼者の方にご満足いただけるリーガル・サービスを提供していけるよう全力で取り組んでいく所存です。

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