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退職代行を使ってもボーナスをもらって退職できる?弁護士がポイントを解説

退職を決意した際、「退職代行を利用しても賞与を受け取ることができるのか?」、「ボーナスを受け取った直後に退職することは問題になるのか?」について気になる方も多いと思います。

そこで本コラムでは、賞与を受け取って退職するために、退職代行サービス利用時に気をつける点やベストなタイミング、賞与を受け取った直後に退職代行を利用して退職する場合の注意点などについてご紹介します。

今回の記事でわかること
  • 賞与の支給日在籍要件とは何か
  • 賞与を全額受け取って退職する方法

退職代行を利用してもボーナスを受け取ることはできるのか

結論からいえば、退職代行を利用したからといって、賞与がもらえなくなることはありません。
ただし注意すべきポイントがありますので、賞与がもっている性質や、退職代行を依頼するタイミングなどと併せて解説していきます。

賞与とは

賞与は、一般的には「ボーナス」や「一時金」とも呼ばれ、通常は夏と冬の年2回、支給対象期間(例:4月~9月)の勤務実績に対して、後日(例:12月20日)支給されるということが多いものです。

賞与は、必ずしも労働者に支払われるというものではありませんが、その支給基準などが就業規則その他において明確に規定されていれば、「労働の対償」(労働基準法第11条)として「賃金」と認められます。

ただし、就業規則等に規定があるからといって、賞与請求権がただちに発生するというわけでもありません。賞与制度があることを前提に、労働組合との合意や使用者の査定により支給条件や額が確定されて初めて、たとえば「30万円」といった具体的な賞与請求権が発生することになります。

ボーナスを全額受け取るために注意すること

相手方企業が、支給対象期間中の勤務を対象に賞与の支給条件や額を決定し、労働者に具体的な賞与請求権が発生している場合、労働者としては賞与を全額受け取ったうえで退職したいところです。

ところが、賞与の支給については、就業規則等において「支給日または一定の基準日に企業に在籍していること」を要件として規定されていることが多いです。これを一般的に「支給日在籍要件」といいます。賞与を全額受け取ったうえで退職するためには、この支給日在籍要件の存在に注意して、退職日を決定する必要があります。

というのも、支給日在籍要件が規定されている場合、仮に支給対象期間(例:4月~9月)に勤務していても、支給日(例:12月20日)ないし基準日(例:11月30日)に在籍しない労働者には賞与が支給されないことになるからです。

支給日在籍要件について

支給日在籍要件は、それが合理的で明確な基準である限り、違法・無効なものとはいえません。

賞与は支給対象期間の勤務実績を対象とする点で、「①賃金の後払い的性質」をもっています。またそれだけではなく、「②企業の利益配分」、「③将来の勤務に対するインセンティブの付与」といった性格も併せもっています。

この「②企業の利益配分」、「③将来の勤務に対するインセンティブの付与」といった性格から、支給日在籍要件などの支給条件は、就業規則等で自由に定めることができるのです。

退職代行を依頼するベストなタイミング

退職する際には、賞与を確実に受領してから退職すべきです。
そのために、まずは、賞与の支給日在籍要件が定められていないかを確認しましょう。支給日在籍要件は、勤務先企業の就業規則等から確認することができます。

定められている場合は、支給日がいつなのかを確認してください。退職代行を依頼し、弁護士から勤務先に退職申し入れをするのは、原則として賞与支給日後とするのがよいでしょう。また、退職に関する話を勤務先にするのも、賞与支給日後にしたほうが無難です。もし賞与支給前に、自身で退職の予定であることを伝えた場合、勤務先から不当に賞与を減額されるおそれもあるからです。

以上から、退職代行は、原則として賞与を受け取ってから始めたほうがよいといえます。もちろん、弁護士への退職代行の相談自体は、賞与支給日前から行っていただいて構いません。賞与支給を確認できた段階で速やかに退職代行に着手できるようにしておけば、よりスムーズな退職につながるでしょう。

ボーナスを受け取った直後に退職しても問題ないのか

では、支給日(例:12月20日)に賞与を受け取り、翌12月21日に退職申し入れを行った場合、何か不都合なことはないのでしょうか。たとえば、「勤務先から賞与の返還を求められる」、「違約金や損害賠償の請求を受ける」といった不安がある方もいらっしゃるはずなので、それぞれ見ていきましょう。

返還を求められることはある?

前述したように、賞与は支給対象期間の勤務実績を対象とする点で「①賃金の後払い的性質」をもっています。もしこの点を強調するのであれば、いったん受け取った「賃金」である賞与を返還すべき理由はないように思われます。

しかし、賞与は「②企業の利益配分」、「③将来の勤務に対するインセンティブの付与」といった性格も併せもっています。このような観点からすれば、たとえば、勤務先の就業規則において「賞与支給後1ヵ月以内に退職した場合は賞与を返還しなければならない」とあった場合、その規定はただちに無効とは言えず、その規定に基づき返還をしなければならなくなる可能性もあります。

したがって、退職の際には、就業規則等にこのような規定がないか、事前に確認しておいたほうが無難です。

違約金や損害賠償を支払う必要はある?

次は違約金や損害賠償請求についてです。
労働基準法第16条では、「使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、または損害賠償額を予定する契約をしてはならない」という規定がありますので、それに反するような就業規則の規定は無効です。

賞与も、その支給基準などが就業規則その他において明確に規定されていれば「賃金」ですから、賃金を受け取った直後に退職したからといって、それだけを理由に労働者が違約金や損害賠償金を支払う必要はないものと考えられます。

弁護士に退職代行を依頼するメリット

「でも自分で手続をやって、きちんと賞与を受け取って退職できるか不安…」という方は、弁護士に退職代行を依頼するという方法があります。

弁護士に依頼をすれば、支給日在籍要件の有無やその内容を踏まえ、退職代行に着手する最適なタイミングを見計らって、対応してくれるでしょう。

また、賞与の支給直後に退職申し入れをした場合に、仮に勤務先から賞与の返還を求められたり、違約金や損害賠償の支払いを求められたりしたとしても、法律に基づいて適切な反論や交渉ができますので、支給された賞与をそのまま依頼者の方が保持できる可能性を高めることができるでしょう。

支払われるべき賞与を全額受け取って、なおかつそれを保持するために、弁護士への依頼はメリットがあるといえます。

まとめ

今回解説してきたように、退職代行を利用しても、賞与を受け取って退職することは可能です。賞与は、その支給基準などが就業規則その他において明確に規定されていれば、「労働の対償」(労働基準法第11条)として「賃金」と認められるからです。

ただし、支給日在籍要件など注意すべきポイントもあります。支給条件は就業規則等で自由に定めることができるので、支給日在籍要件もそれが合理的で明確な基準である限り基本的には有効です。

弁護士に依頼すれば、支給日在籍要件などの注意すべきポイントを踏まえて、ベストなタイミングで退職手続を進めていくことができます。またそれだけでなく、賞与支給日後に退職申し入れをした場合に、仮に勤務先から賞与の返還や、違約金・損害賠償の支払いを求められたとしても、法律に基づいて適切な反論や交渉をしてもらえます。

「ボーナスをもらったうえで、安心して退職をしたい」という方は、弁護士へ退職代行を依頼することをぜひ検討してみてください。

監修者情報

弁護士

重光 勇次

しげみつ ゆうじ

資格
弁護士,応用情報技術者,基本情報技術者,2級知的財産管理技能士,ビジネス著作権検定上級(AdvancedLevel)
所属
神奈川県弁護士会
出身大学
同志社大学法学部,同志社大学法科大学院

弁護士になってから,さまざまな方のご相談を受けてまいりました。その中で,「先生に話を聞いてもらって,とにかく気が楽になった」という方や,「心配に思っていた点が実はそんなに心配するようなことではないとわかって,安心した」という方がたくさんいらっしゃいました。不安に思われている点や悩みを解決したい方は,とにかく気軽に弁護士にご相談ください。あなたの立場にたって,親身にかつ真摯にお話をお聞きします。

弁護士  正木 裕美  [愛知県弁護士会]

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