監修者情報
- 資格
- 弁護士
- 所属
- 東京弁護士会
- 出身大学
- 青山学院大学法学部,専修大学法科大学院
弁護士の仕事は,法的紛争を解決に導くことだけでなく,依頼者の方の不安や悩みを解消することにもあると考えています。些細なことでも不安や悩みをお持ちであれば,気軽に弁護士に相談していただけたらと思います。依頼者の方にご満足いただけるリーガル・サービスを提供していけるよう全力で取り組んでいく所存です。
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不当解雇に関するコラム
公開日: 更新日:
突然、会社からリストラを告げられ、「リストラされたら、もう再就職は無理かもしれない」「退職金はもらえるのだろうか?」と途方にくれているあなた。
しかし、そのリストラ、本当に法的に有効でしょうか?
実は、企業が行うリストラは不当解雇であることも多く、解雇とされないまでも言われるがまま退職届を出してしまうのは危険が伴います。また、会社都合であれば、交渉次第で解決金や退職金への上乗せが得られる可能性もありますので、慎重な判断が必要です。
そこで、本記事では、リストラされた場合の対処法や注意点について、労働問題に精通した弁護士が徹底解説します。
リストラとは「リストラクチャリング(事業の再構築)」の略で、不採算事業の縮小や不要部門の削減を行い、成長分野に経営資源(ヒト・モノ・カネ)を集中させて企業の競争力を高める改革のことです。
人員削減もリストラの手段の1つではありますが、必ずしも人員削減を伴うわけではないため、「リストラ=解雇」ではありません。
ただ、日本では、「リストラ=会社の経営難に伴う人員削減のための解雇(整理解雇)」の意味で使用されるのが一般的です。そこで、この記事では「リストラ=整理解雇」として解説いたします。
なお、解雇には3つの種類がありますが、整理解雇は「会社の都合による解雇」であり、「労働者に非がない場合」である点がほかの解雇と異なります。
解雇について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
会社が「リストラだから仕方ない」と言っても、裁判所はそう簡単には解雇を認めません。以下の4つの条件(整理解雇の4要件)を一つでも満たしていなければ、その解雇は不当解雇であり、撤回や解決金の請求が可能です。
解雇により職を失うことは、労働者の日常生活に極めて深刻な影響を与えます。そのため、会社が赤字だからといって、即リストラができるわけではなく、経営上の理由により人員を削減する必要性があることが求められます。
リストラされた場合には、まず、会社が『苦しい』と言いつつ矛盾した行動をとっていないかを確認する必要があります。
たとえば、会社が内部留保を十分に持っていたり、別部署で人手不足のため求人を出していたりする場合、この要件を満たさない可能性が高いです。
【確認すべきポイントの例】
もっとも、裁判所が人員削減の必要性を判断する際には、会社の経営状況が倒産寸前、債務超過であることまでは求められません。組織再編、競争力強化のための人員削減であっても、その必要性が認められる場合があります。
会社は解雇を回避するために、いろいろな手段を講じて最大限の努力を尽くす必要があります。「いきなりリストラを宣告された」というケースは、このプロセスを飛ばしていることが多く、無効を主張しやすい典型的なパターンです。
【解雇を回避する手段の例】
もっとも、上記に挙げたような措置をすべて取ることまでは求められず、会社の規模や業種などを考慮し、実現可能な措置を取っているかどうかによって判断されます。
労働者のなかから整理解雇の対象となる人を選定する際には、客観的に合理性があり、かつ公平な基準で選ぶ必要があります。
たとえば、社長の好き嫌いで整理解雇の対象とする、といった不公平な選び方は認められません。客観的・合理的な基準を事前に決定し、公正に選定することが求められます。
なお、選定に用いる基準としては、対象者の解雇された場合のダメージの大きさ(独身か扶養家族がいるかなど)や、勤務成績、欠勤率、懲戒処分の回数などが挙げられます。
会社には、誠意を持って説明し、労働者の納得を得るよう努力する義務があります。多くの企業が「説明した」と言い張りますが、法的に求められるレベルの協議が行われていないケースが見られます。
【確認すべきポイントの例】
不当解雇の要件について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
リストラ(整理解雇)された場合には、先ほどご説明した4つの要件を満たしているかを確認しましょう。
少しでもおかしいところや疑問点があれば、労働基準監督署や弁護士などに相談されることをおすすめします。
なお、労働基準監督署は、対処法などのアドバイスはしてくれますが、あなたの代理人となって会社と交渉してくれるわけではありません。ですので、会社に整理解雇を撤回してもらうことなどを想定されているのであれば、あなたの代理人となることができる弁護士に相談されるのがおすすめです。
会社からリストラの理由を伝えられないまま解雇されたときは、「解雇理由証明書」を会社に請求して、解雇理由を確認します。そのうえで「解雇理由に納得できません」などの意思表示を行いましょう。
なお、退職届の提出や、退職合意書へのサインを求められたとしても、断固として拒否してください。今後、不当解雇を争う際に、退職に合意した証拠となり非常に不利な状況となってしまうからです。
弁護士に相談した結果、4つのポイントに照らして、整理解雇に客観的で合理的な理由がなく、社会通念上相当(諸事情を踏まえて、解雇されてもやむを得ないと判断できる)とは言えないのではないか?との判断になれば、実際に会社と争うことも可能です。具体的にいえば、整理解雇の無効を主張し、職場に戻れるようにする、または解雇期間中の賃金(バックペイ)を請求するなどです。
弁護士に依頼すれば、解雇の状況や証拠などを詳しく確認し、最適な解決策を提案してくれます。また、会社との交渉を代わりにしてもらえるうえ、労働審判や訴訟などの法的手続に進んだ場合にもスムーズです。
整理解雇による退職時に、退職金がもらえるかどうかについては、会社の規定によります。
つまり、整理解雇による退職時に退職金を支給する内容の退職金規程がある会社であれば、退職金が支給されることになります。他方で、退職金規程そのものがない場合には、退職時に退職金は支給されないことになります。ときに、「退職時に退職金が支給されるのは当然だろう」と思われる方もいらっしゃいますが、退職金規程がなければ、退職金は原則として支給されません。
もっとも、退職金規程がなくとも、整理解雇にあたり、会社が退職金名目で金員の支払いをすることもあります。
また、退職金規程の内容は、会社によりさまざまです。退職金の計算方法としてよくあるのは、「基本給×勤続年数×係数」です。まずは、あなたの会社の退職金規程をご確認ください。整理解雇の場合には、会社都合での解雇であって、労働者は何も悪くないので、交渉などにより場合によっては退職金を上乗せできることもあります。
退職金の支払いを受けたあとになって、整理解雇は無効であり、雇用関係が解消されていないと主張することも可能ではあります。しかし、仮に整理解雇が無効とされた場合、雇用関係が継続していることとなり、退職していない以上、退職金を受け取る資格がなかったことになるため、受け取った退職金は会社に返還しなければなりません(バックペイとの合意相殺による処理がされると考えられます)。
なお、退職金が支払われるケースにおいては、会社が整理解雇をする以前の段階で、退職勧奨を行い、退職の条件として上乗せした退職金の提示をし、労働者がこれを受け入れて合意退職となることも多いです。その場合、のちに退職の効力を争うことは容易ではありません。
不当解雇された労働者は、解雇されていた期間に本来受け取るはずだった賃金を請求することができます。実際には業務を行っていなくても働けない期間が生じたのは会社側の責任なので、解雇されていた期間の給与や賞与などを合計した金額を請求することが可能です。
なお、このお金は一般的に「バックペイ」といい、不当解雇を行った会社にはこのバックペイを支払う法律上の義務があります(民法第536条2項前段)。
バックペイについて詳細を知りたい方は、下記のコラムをご覧ください。
通常、解雇による精神的苦痛は、解雇期間中の賃金が支払われることで、基本的に償われると考えられているため、実際に請求が認められるケースはそう多くありません。
ただし、賃金の支払いでも償えないほどの特別な事情があった場合には、慰謝料請求が認められる可能性があります。
不当解雇で慰謝料請求が認められるケースについて詳細を知りたい方は、下記のコラムをご覧ください。
リストラは「会社都合退職」となるため、自己都合での退職よりも手厚い給付を早く受けられます。ハローワークで手続を行えば、通常7日間の待機期間を経て失業保険(基本手当)の受給が始まります。
特に、40代・50代の会社都合離職(特定受給資格者)の方は、年齢や勤続年数によって給付日数が最大330日まで延長されることもあります。リストラされて収入が途絶え、生活に困るようであれば、まずは離職票を持参して速やかにハローワークへ向かいましょう。
なお、失業保険を受給しつつ解雇が無効であると主張して争い、解雇が無効とされてバックペイの支払いがされる場合、受給した失業保険との調整が必要とされます。
働き盛りの世代がリストラされたらどうなるか不安は大きいものですが、法的な権利を正しく行使することで生活の安定を図れます。会社側には解雇回避努力の義務があり、もし40代・50代を狙い撃ちにして選定している場合は不当解雇とみなされる可能性が高いです。
また、再就職活動をする場合においても、会社から提示されたパッケージ(特別退職金)が妥当か精査し、場合に応じて交渉を行い当面の生活資金を確保することが、その後の再スタートを支える鍵となります。
はい、会社との交渉次第で退職金の上乗せが認められる可能性があります。リストラ(整理解雇)は労働者に非がないため、多くの企業では通常の退職金に数ヵ月〜1年分程度の「解決金」を上乗せして提示します。もし会社側が上乗せを拒否したり、規定にないからと支払いを渋ったりした場合は、解雇の有効性そのものを争うことで有利な条件を引き出せるケースがあります。
リストラされたら退職金についても妥協せず、弁護士に相談されることをおすすめします。
最優先でやるべきことは「安易にサインをしないこと」です。会社からリストラされたら、退職合意書への署名を急かされることがありますが、一度サインをすると不当解雇を争うのが非常に難しくなります。まずは「解雇理由証明書」を請求し、客観的な証拠を確保したうえで、ご自身のケースが法律に違反していないか弁護士に確認しましょう。
リストラ(整理解雇)は、会社の経営の都合により解雇される場合であるため、労働者の方に非はありません。いきなりリストラされた労働者の方は、将来設計や今後の生活に大きな影響が出るため、不安が大きいことと思います。
そこで、リストラされた場合、会社の説明等に少しでも疑問があれば、労働トラブルに詳しい弁護士に相談され、アドバイスを受けることをおすすめします。
なお、リストラが有効かどうかを判断するには、4つの要件がありますので、ご自身で一度ご確認してみてください。また、退職金が支給されるか知りたい方は、会社の退職金規程を確認し、ご自身に退職金が支払われるかどうかチェックしましょう。
会社の経営都合によるリストラに泣き寝入りしないためにも、本コラムがお役に立てば幸いです。
「解雇理由に納得がいかない」、「不当解雇かもしれない」と感じたら、まずはアディーレにご相談ください。
アディーレなら、不当解雇に関するご相談は何度でも無料です。
また、不当解雇に詳しい弁護士が多数在籍していますので、お悩みや疑問について丁寧にお聞きし、法律的な観点から最適な解決策をご提案いたします。まずはお気軽に無料相談をご利用ください。
弁護士の仕事は,法的紛争を解決に導くことだけでなく,依頼者の方の不安や悩みを解消することにもあると考えています。些細なことでも不安や悩みをお持ちであれば,気軽に弁護士に相談していただけたらと思います。依頼者の方にご満足いただけるリーガル・サービスを提供していけるよう全力で取り組んでいく所存です。
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