会社の社員旅行に参加しなかった場合,積立金は返金されますか?
給与から旅行積立金を天引きする会社は多くありますが,これが労使協定に基づくものであれば,このような天引き自体は有効です(労働基準法24条)。
ただし,旅行積立金はその名のとおり積立金であり,「社内預金」としての性質を有します。とすると,預金はあくまで預金者である労働者のものなので,労働者からの請求により,会社は遅滞なくそのお金を返金しなければなりません(同法18条5項)。
この場合に問題となるのが,徴収されたお金が親睦会費であった場合です。たとえ旅行に参加していなかったとしても,親睦会に加入している以上,親睦会として活動するための会費として,そのお金の返還を求めるのは難しくなります。
なお,徴収されたお金が親睦会費なのか,それとも社内預金なのかは,その名称ではなく,実態に即して判断されます。親睦会費という名目で徴収されていたとしても,親睦会としての活動実態がほとんどない場合,それは積立金に該当し,返還を請求できる可能性があります。
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