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労働問題の解決事例集

ケース03 退職届の不当性を認めさせ,月給6ヵ月分の解決金と適正額の退職金を獲得!

Eさんの解決事例(男性・50歳代)
ご依頼内容 不当解雇・退職
雇用形態 正社員

EさんはIT企業に正社員として入社し,ソフトウエア・プログラマーの草分けとして20年以上も仕事をこなしてきました。ところがある日,社長に呼び出されると,能力がない,成績が悪いという理由から自主退職を迫られました。突然の話にEさんは混乱し,「考えさせてほしい」と答えるのが精一杯でした。

その後,連日のように社長や役員から退職届の提出を催促されましたが,Eさんは拒否し続けました。しかし2週間後,Eさんは役員に呼び出され,「退職届を出さないなら懲戒解雇する。懲戒解雇だと退職金は支払わない」と強い口調で退職勧告を告げられました。Eさんも役員に交渉しましたが,最終的には押し切られる形で退職届を提出してしまいました。

しかし,Eさんは役員の説明や退職金に関することなど会社の主張に納得できませんでした。また,役員とのやり取りをひそかに録音しており,退職届を出した今でもできることがあるのではないかと思い,当事務所にご相談くださいました。

当事務所は,仮に能力不足や成績不良が事実だったとしても,指摘して改善のチャンスを与えずに懲戒解雇や退職勧告を行うのは不当であり,録音した音声をもとに退職の意思表示の無効や取消を争って金銭を請求できる可能性があること,退職金規定を開示すれば,適正な退職金の支払を受けられる可能性があることなどをご説明しました。

ご依頼を受けた当事務所は早速,会社側の弁護士と交渉を始めました。退職届を提出した際のEさんと役員とのやりとりを細かく説明し,退職届の無効または取消が認められる可能性が高いこと主張しました。また,会社側に退職金規定の開示を請求すると「懲戒解雇だと退職金は支払われない」という会社の説明が嘘だと判明するなど,交渉は終始優位に進みました。

その結果,Eさんの月給の6ヵ月分に相当する解決金と,退職金規定に従って算出された正しい退職金を会社が支払うことで交渉が成立しました。

退職届の提出後も,退職の意思表示の無効や取消を主張して,会社に金銭を請求できる場合があります。そして,会社側の圧力により退職の意思表示をしてしまった場合でも,証拠などがあると意思表示の無効を争える可能性も高まります。泣き寝入りをする必要はありません。

弁護士  正木 裕美  [愛知県弁護士会]

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