内部告発・社外通報について

会社の膿は出すべき。純粋な正義感が社会を変えていく!
~法律は不正を許さない人の味方です~

Aさん

Aさんのケース

私は,建設会社の社員寮の警備担当として勤務している者です。もともと私は,この会社に経理担当として入社し,今年の6月初めまで一貫して経理を担当し,入出金の管理をしていました。

長年,経理担当として勤務していましたが,今年の5月に専務が,飲み屋への支払を不正に会社につけていることを見つけてしまったのです。こんな不正を許しておけないと,純粋な正義感にかられた私は,その事実を経理担当の部長に伝えました。

その結果,部長に不正の事実を伝えた4日後に,突然,経理担当を外され,社員寮の警備担当にされてしまいました。私には家族もあり,すぐに会社を辞めるわけにはいかないので,我慢して勤めていますが,経理の仕事に誇りを持ってきましたので,できるなら元のポジションに戻りたいと考えています。

正直者がバカを見るのは納得いきません。私が,以前のポジションに戻ることは可能なのでしょうか?

会社の不正を見つけたAさんが,それを正そうと上司に報告することは,とても勇気がいることですし,純粋な正義感として,本来であれば喝采をあびてもよい行いです。

しかし,Aさんのケースでは,不正の事実を報告したところ,なんと経理担当を外され,望まない寮の警備員に異動させられてしまっています。こんなことが許されるようでは,会社内部の自浄作用が働かなくなり,会社の秩序を維持することはできません。

Aさんが元のポジションに戻ることはできないのでしょうか?

1.内部告発とは

内部告発とは

内部告発とは,組織(企業)内部の人間が,不正の目的なく,所属組織の不正や悪事(法令違反など)を,上司や外部の監督官庁,または報道機関などへ通報することをいいます。

組織の不祥事やその隠ぺいが,この内部告発によって明らかになるケースが近年多くなっています。いっぽう,そのような企業では,内部告発を理由とした制裁が行われているのもまた現状のようです。

この内部告発については,2006年4月1日から施行されている「公益通報者保護法」により,企業内でのさまざまな法令違反行為に対する通報者の保護が図られるようになりました。この法律は,監督官庁やマスコミへの不正の通報も,一定の要件の下に保護の対象としていますが,とりわけ会社内部への通報(たとえば,不正を行っている者の上司に対する不正の告発)を保護しています。

会社内部への通報については,不正の事実を知っていることを理由に会社から金銭をゆすりとろうとするような不正の目的さえなければ,内部告発を理由にした解雇は無効となり,解雇以外にも,給与の差別,異動,あるいはもっぱら雑務をさせるといった等の不利益な取扱いも禁止されています。

2.今回のケースでは

Aさんの異動は,Aさんが内部告発をしてからわずか4日後に行われています。それまで,就職してから一貫して経理担当として業務を行っており,何の問題も起こしていなかったことからすると,職務上の必要性等とは無関係に,内部告発をきっかけとして異動が行われたとしかいいようがありません。

とすると,会社がAさんを異動させた意図は,専務の不正経理問題を隠ぺいするために,Aさんに対する嫌がらせ,ないしは見せしめとして行われたと考えるのが妥当です。したがって,Aさんに対する異動命令は,内部告発に対する報復であり,社会通念上,著しく妥当性を欠くものとして,会社に対し慰謝料を求めることができそうです。

また,Aさんの内部告発には不正の意図はまったくないため,Aさんの異動は,上述の公益通報者保護法における内部告発の保護により無効となります。

これらの事情を考慮すると,Aさんは元の経理のポジションに戻ることが可能といえます。Aさんとしては,会社に対し慰謝料の請求と経理担当への復職を求める必要がありますので,すぐにでも,法律と交渉の専門家である弁護士に相談することをおすすめいたします。

3.会社の不正を見つけたら,まずは弁護士に相談を!

会社内での不正や違法行為を発見し,告発するべきかお悩みの場合には,すぐに法律と交渉の専門家である弁護士に相談することをおすすめします。弁護士は,ご相談内容について守秘義務を負っていますので,外部に情報が漏れることは決してありません。

相談するだけでも気持ちが軽くなりますし,正義感に基づいて告発をする場合でも,きちんと弁護士の意見を聞いて,どこまでなら許され,どこからが許されないのか(誹謗中傷,噂に基づく内部告発は認められません)を把握したうえで,自分の身の安全を確保しながら対処するほうが,後々のことを考えるとよいと思います。

会社内の行為であっても,不正や違法行為は許されるものではありません。会社の不正を告発することは,会社やそこで働く労働者を守ることでもあるのです。ご自身の正義感に従い,正しい行動をしてください。弁護士は,そんなあなたの力強い味方です。

弁護士 篠田 恵里香

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